今回は、ネジ切り加工前のステンレス製品に行ったバレル研磨の加工事例をご紹介します。加工前にはバリと表面の粗さが残っており、ネジ切り加工へ進む前に表面を整える必要がありました。
この製品では、バリを取るために研磨する一方、必要以上の加工は避けたいという条件があります。必要なバリを除去した段階で加工を終え、次のネジ切り加工につなげることを重視しました。
製品情報と加工内容
| 製品 | ネジ切り加工前のステンレス製品 |
|---|---|
| 材質 | ステンレス |
| 加工前の状態 | バリ・表面の粗さ |
| 加工方法 | バレル研磨 |
| 加工目的 | バリ取り・表面仕上げ |
| 後工程 | ネジ切り加工、その後パッシベート処理 |
| 加工時の課題 | バリ取りに必要な研磨量と、過度な研磨を避ける加工時間の両立 |
バレル研磨前後の比較
加工前にはバリと表面の粗さがありました。加工後は必要なバリを除去し、製品表面を整えています。今回はバレル研磨が最終仕上げではなく、次のネジ切り加工に進む前の状態を整える工程です。


※写真では確認しにくいバリの状態や後工程への配慮は、実際の加工内容をもとに説明しています。
加工前の課題|バリを取り、研磨しすぎない
バリを取るには一定の研磨作用が必要です。しかし、加工が不足すればバリが残り、長く研磨しすぎれば表面やエッジの状態が必要以上に変わる可能性があります。
今回の製品は次にネジ切り加工を行います。したがって、バレル研磨後の見た目だけを基準に加工時間を延ばすのではなく、ネジ切り前に必要なバリ取りを行い、適切な時点で加工を終えることが課題でした。
後工程で指定される寸法や、研磨を避けたい箇所がある場合は、図面や加工条件と合わせて確認する必要があります。この事例では寸法測定値や工具寿命の改善値は示していません。
工程設計のポイント
バリが残るほど短い加工も、必要以上に長い加工も避け、後工程に渡す状態を基準に研磨量を決めました。
後工程から考えた加工方法
今回はバレル研磨によって製品全体のバリ取りと表面仕上げを行いました。加工前のバリの状態を確認し、必要な部分を整えながら、ネジ切り加工を予定している製品として加工時間を調整しています。
バレル研磨を長く続ければ、常に良い仕上がりになるわけではありません。どこまで磨くかを次工程から逆算することが、今回の工程を決めるうえで重要でした。
設備の種類、メディア、コンパウンド、具体的な加工時間はこの記事では示していません。類似製品でもバリの大きさや形状、ネジ切りを行う箇所によって、適した条件は異なります。
ネジ切り加工へのつなぎ方
この製品はバレル研磨後にネジ切り加工を行い、その後パッシベート処理へ進みます。バレル研磨の段階で完成品の外観まで仕上げる事例とは、加工終了の判断が異なります。
↓
ネジ切り加工
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パッシベート処理
今回は、バリを除去し表面を整えたうえで、次の加工に進める状態で工程を終えました。加工直後の光沢よりも、後工程で必要とされる状態を優先しています。
加工結果と確認したポイント
バレル研磨により、加工前に残っていたバリを除去し、製品全体の表面状態を整えました。必要以上に研磨しないよう加工時間を調整し、ネジ切り加工へ進む前の状態に仕上げています。
確認したのは、バリの残り方、表面とエッジの仕上がり、次工程へ渡す状態です。バリ取りの結果だけでなく、後工程への影響を考えて仕上がりを判断しました。
なお、加工後の硬さやネジ切り工具の摩耗量を測定した結果は、この記事には含めていません。必要な管理項目がある場合は、加工前に条件を共有して工程を検討します。
よくある質問
Q. ネジ切り加工前でもバレル研磨できますか?
はい。今回のように、ネジ切り前のバリ取りと表面仕上げを行う事例があります。製品形状や次工程で必要な状態を確認して加工条件を決めます。
Q. 長く研磨すればバリ取りの品質は上がりますか?
加工時間だけでは判断できません。バリを取り除くための時間は必要ですが、研磨を続けると表面やエッジの状態も変わります。今回のように後工程がある場合は、必要なバリが取れた時点と次工程への影響を合わせて確認します。
Q. 後工程について何を伝えればよいですか?
ネジ切りを行う箇所、必要な寸法や形状、バリの許容状態、その後の表面処理などをお知らせください。図面や現物があれば、研磨する範囲と避けたい影響を具体的に検討できます。
関連する加工事例
ステンレス製品のバリ取りや後工程を考慮した研磨については、加工事例一覧もご覧ください。曲げ加工ブラケットのバリ取りや、メッキ前の表面調整など、加工目的の異なる事例を掲載しています。
ネジ切り加工前のバリ取り・表面仕上げのご相談
株式会社後では、製品の材質や形状だけでなく、バレル研磨の後に行う加工も確認して工程を検討します。「バリを取りたいが、研磨しすぎたくない」といったご相談にも対応します。